病気の説明explanation

病気の説明

認知症

認知症

当院ではもの忘れ外来を設けており、もの忘れや認知症が心配な方の診断と治療を行っています。
初診時の診察には時間がかかりますので、事前に電話でご予約ください。

1. アルツハイマー病

認知症の中でも多い病因です。
主に60歳代あるいはそれ以上の年齢の人がかかる病気です。

まれには40歳代、50歳代で認知症になることもあります。
もの忘れが主な症状で、同じことを何度も聞くなどが特徴的です。
自宅にある物を何度も買ってきてしまうことがあります。道に迷いやすくなることもあります。
診断には、自宅での様子、経過を詳しく聞くことが必要であり、ご家族が一緒に来院することが必要です。

現在、アルツハイマー病の治療薬として4種類の薬が使われています。これらの中で患者さまに合った薬を選択していきます。
また、アルツハイマー病の方は自宅に閉じこもりがちになりますが、それでは体力が弱り、言葉も忘れていってしまいます。
多くの人と会い、会話し、体を動かすことが認知症状の改善には大事です。
通所リハビリテーションへの参加を勧めます。

2. 軽度認知障害

軽いもの忘れはあるが、日常生活は自立しており、援助は必要がない状態をいいます。
毎年、一定数の方が認知症になっていくので、認知症の入り口に立っている状態と言えます。
注意深く見ていく必要があります。

3. レビー小体型認知症

認知症の病因の一定の割合を占める病気です。認知症状に加えて、
①ありありとした幻覚が見える、
②姿勢が悪くなり小刻みな歩行になる
などのパーキンソン症状を伴う、
③ぼうっとしているときとはっきりしているときがある、
などの特徴があります。

放っておくと転倒して骨折することも多く、早期に発見して治療する必要があります。
薬剤過敏性があることも特徴的で、少量の薬で眠気やふらつきがでることがあります。
抗認知症薬で認知症状の改善が期待できます。抗パーキンソン病薬で歩行の改善も目指します。

ご家族の幻視、妄想などへの対応法も指導していきます。

もの忘れと認知症は違いますか?

加齢によるもの忘れでは、ヒントがあれば思い出せることが多いです。
例えば、「何を食べたか思い出せない」のは加齢によるもの忘れによく見られます。
一方、
「食事をしたこと自体を覚えていない」場合は、認知症の可能性があります。
「最近もの忘れが増えた」と感じる場合は、早めのご相談をおすすめします。

認知症を早期に見つけるメリットはありますか?

認知症の中でも最も多い病気はアルツハイマー病です。
近年では、早期のアルツハイマー病に対して「抗アミロイド療法」が行われるようになり、認知症の進行を遅らせることが期待されています。

また、認知症のような症状でも、
・正常圧水頭症
・慢性硬膜下血腫
など、手術で改善が期待できる病気もあります。

さらに、
・甲状腺ホルモンの異常
・神経梅毒
など、薬で改善する病気が原因の場合もあります。

「年齢のせいだから」と決めつけず、一度専門医へご相談ください。

 

最近怒りっぽくなりました。認知症の始まりでしょうか?

年齢とともに、以前より短気になったり感情的になったりすることは珍しくありません。
また、ご家族からもの忘れを指摘されることで、不安や戸惑いから気分を害してしまうこともあります。

ただし、

・もの忘れが増えている
・不安感が強い
・性格の変化が目立つ

といった場合は、認知症の初期症状の可能性もあります。

気になる変化がある場合は、
「いつ」「どのようなことがあったか」を記録したうえで、専門医への受診をご検討ください。

家族が認知症かもしれませんが、本人が受診を嫌がります。
どうしたらよいでしょうか?

ご本人に受診をすすめることは、とても難しい場合があります。
無理に説得すると、ご本人の自尊心を傷つけたり、ご家族との関係が悪くなってしまうこともあります。

そのため、

「最近少し疲れやすいから相談してみよう」
「もの忘れには治療法もあるみたい」
「一緒に話だけ聞きに行こう」

など、自然な形で受診につなげる方法がおすすめです。
認知症は、早期発見・早期治療が大切です。 気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

パーキンソン病

パーキンソン病

前かがみの姿勢になり、とぼとぼと小刻みに歩くようになる、

動作が遅くなる、
声が小さくなる、
顔の表情がなくなる、
手や足がふるえる

などの症状がみられます。

初期には手足のこわばり感、腰痛などの痛みを伴うこともあり、このため整形外科に長いことかかっていることが
あります。
またうつ症状があり、メンタルクリニックにかかっていることがあります。
診断には経過の聴取と診察所見が重要で、神経内科の担当医が診察して初めて診断がつくことが多い病気です。
画像診断も診断の補助になります。頭部MRI検査の他、必要に応じて脳内のドーパミン神経機能を調べる
ダットスキャンやMIBG心筋シンチグラフィーも行います。

多くの種類の抗パーキンソン病薬があり、症状の改善が期待できます。
パーキンソン病で症状の日内変動が著明な方には、深部脳刺激を行うために脳の手術を行うことがあります。

この場合は千葉大学脳神経外科などに紹介いたします。

パーキンソン病は遺伝しますか?

パーキンソン病の多くは遺伝性ではありません。
一部に遺伝が関係するタイプもありますが、割合としては多くありません。

また、仮に関連する遺伝子を持っていても、必ず発症するわけではありません。

ご家族にパーキンソン病の方がいる場合でも、過度に心配しすぎる必要はありませんが、
気になる症状がある場合は早めのご相談をおすすめします。

パーキンソン病はiPS細胞で完治できるようになりますか?

iPS細胞を用いた治療は、現在非常に期待されている治療法のひとつです。
実際に、iPS細胞を脳内へ移植する臨床試験では、良好な結果も報告されています。

ただし、現時点では「完治」を目的とするものではなく、
・動きにくさ
・震え
・歩行障害
などの運動症状を改善・緩和する治療として期待されています。

今後の研究の進歩が注目されています。
 

パーキンソン病はどのような症状からはじまりますか?


初期には、
・手足の震え
・動作が遅くなる
・身体がこわばる
といった症状がみられることがあります。

その後、数年かけて、

・歩きにくい
・転びやすい
・バランスが取りにくい

などの症状が出てくることがあります。
また、運動症状より前から、

・頑固な便秘
・においが分かりにくい
・寝ているときに夢を見て大声を出す、手足を動かす
などの症状がみられる場合もあります。

気になる症状が続く場合は、早めの受診をおすすめします。

パーキンソン病には手術治療もあるのでしょうか?

はい。薬だけでは症状のコントロールが難しくなった場合、機器(デバイス)を用いた治療を行うことがあります

例えば、

・胃ろうから持続的に薬を投与する治療
・腹部から薬を持続的に皮下注射する治療
・脳に電気刺激を与える「脳深部刺激療法(DBS)
などがあります。

これらの治療により、

・薬の効き目が切れる「ウェアリングオフ」
・身体が勝手に動いてしまう「ジスキネジア」
などの改善が期待できます。

また、これらの治療は、指定難病の医療費助成制度の対象となる場合があります。

頭痛

頭痛

当院では頭痛外来を設けております。
頭痛でお悩みの患者様に合わせた検査・診断を行い、治療をご提供しています。

頭痛には、これまでに経験したことがないような頭痛が急性に起こる急性頭痛と、
繰り返し慢性的に起こる慢性頭痛があります。

急性頭痛にはくも膜下出血、髄膜炎など直ちに治療を要する重篤な病気が含まれます。
慢性頭痛の代表的な病気は片頭痛、緊張型頭痛ですが、脳腫瘍がみつかることもあります。

1. 急性頭痛

(1)くも膜下出血
突然に起こり、頭を殴られるような激しい頭痛が起こった場合には、くも膜下出血が疑われます。
早急に頭部CTにて診断し、外科手術を受ける必要があります。

(2)髄膜炎
急性に発熱と頭痛が起こった場合には、髄膜(脳を包む膜)の炎症が考えられます。
頭部MRI検査などを行った後に腰椎穿刺を行って脳脊髄液を調べて診断します。

2. 慢性頭痛

(1)片頭痛
数時間から数日続く頭痛発作を月に数回などの頻度で繰り返す病気です。
ずきんずきんという拍動性の頭痛が片側性に起こることが特徴で、悪心や、光過敏、音過敏を伴うことがあります。10歳代から始まることが多く、30代女性では20%の方が片頭痛を持っています。
発作の前に、ギザギザ模様がみえるなどの前兆を伴うこともあります。
トリプタン製剤などを服用することによって、頭痛を軽微におさえることが期待されます。また予防薬によって、発作頻度を減少させることが期待されます。

(2)緊張型頭痛
頭全体を締め付けられるような痛みが慢性的に続くことが特徴です。
肩こりを伴うことも多いです。頭痛に対しては、鎮痛剤、筋弛緩薬などで対処しますが、ストレスの解消、姿勢の改善も重要です。

(3)群発頭痛
急激に片側の目の奥から頭にかけてずきずきとえぐられるような痛みが起こり、涙が出て、鼻がつまる。
頭痛は1、2時間で改善するが、翌日には同様の頭痛発作があり、2週間から2カ月も続くことがあります。

こうした頭痛発作が毎年のように繰り返します。
消炎鎮痛剤やトリプタン製剤の経口薬、点鼻薬で対処します。
トリプタン製剤の注射薬を自己注射や、酸素吸入で対処することもあります。

市販薬で頭痛に対応していますが、処方薬の方が身体に良いのでしょうか?

頭痛が増える背景には、疲労・睡眠不足・ストレスなど、体調の乱れが関係していることが少なくありません。
そのため、生活習慣の見直しとあわせて、適切な薬物治療を行うことが大切です。

市販の鎮痛薬を頻繁に使用し続けると、
「薬剤乱用性頭痛」といって、薬が原因で頭痛が悪化する状態になることがあります。

また、片頭痛の場合には、
・片頭痛専用の治療薬
・発作を予防する薬
を使用することもあります。

自己判断で薬を飲み続けるのではなく、一度しっかり診断を受け、症状に合った薬を適切に使用することをおすすめします。

放っておくと危険な頭痛はありますか?

頭痛の中には、早急な治療が必要な病気が隠れている場合があります。

・くも膜下出血
・脳腫瘍
・脳出血
・髄膜炎

などが原因となることもあり、場合によっては手術や緊急治療が必要です。

特に、

・突然の激しい頭痛
・今まで経験したことのない頭痛
・手足のしびれ
・ろれつが回らない
・意識がぼんやりする

などの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします
 

妊娠を希望しています。妊娠中でも使える頭痛薬はありますか?

妊娠中や妊娠を希望されている場合は、使用できる薬に注意が必要です。

ただし、症状によっては、治療のメリットがリスクを上回ると判断され、安全性に配慮しながら治療を行うことがあります。

また、妊娠初期・中期・後期など、時期によって使用できる薬も異なります。

自己判断で市販薬を使用せず、専門医と相談しながら治療を進めることが大切です。

小学生の子どもでも頭痛を診てもらえますか?

小児は、大人とは身体の働きや代謝が異なるため、まずは小児科での相談をおすすめしています。

ただし、小児でも、

・片頭痛
・緊張型頭痛
・起立性調節障害に伴う頭痛

など、大人と似た頭痛がみられることもあります。
症状が続く場合や、原因がはっきりしない場合は、脳神経内科での診察をご検討ください。

手根管症候群

手根管症候群

手のしびれの原因として多いものの一つです。
欧米における有病率は高く、日本においても同様に高いものと考えられます。

特徴としては夜間早朝に増悪する手のしびれ感や痛みですが、進行するとつまむ動作がしづらくなります。
診察所見として、
正中神経領域に一致する他覚的感覚障害(特にring-finger splitting:環指正中線を境界とする感覚障害)、
Phalen徴候(1分間の手首屈曲位によるしびれの増悪)、
Tinel徴候(手根管部を打鍵器で叩打した際の放散痛)、
母指球筋萎縮などの
特徴的症候があげられます。

疼痛が強い場合や母指球萎縮がありつまむことができにくくなってきた場合には手術を考慮するのが一般的です。
誘因としては手首をよく使うこと、太ったりむくんだりすることなどが挙げられます。

すなわち、
専業主婦を含め手首をよく使う人や妊婦、
糖尿病や貧血などがある人、
肥満傾向がある人など
に見られやすいと言えます。

早朝にしびれ感・痛みが出現・増悪するので不眠の原因ともなり得ます。

当院では日本神経学会認定神経内科専門医による診察と神経伝導検査などにより、
診断および治療方針の構築を行っています。

重症筋無力症

重症筋無力症

重症筋無力症(英語でMyasthenia Gravisと言い、略してMGと呼ばれます)は、
力が入りにくなる病気です。

具体的には
まぶたが下がったり、
ものが二重に見えること
で気づかれることが多いのですが、
・髪をとかす
・乾かす
・洗濯物を干す
・歯を磨く
・階段を上る

といった動作の際に力が入らなくなることで気付かれることもあります。

症状の特徴は、
運動の反復に伴い力が低下し(医学的に易疲労性と表現します)、
休息により改善すること、
夕方に症状が変動すること(日内変動)、
日によって症状が変動すること(日差変動)
が挙げられます。

頰をふくらませられない、
目を閉じにくい、
食事の途中でかめなくなる、
ひどくむせた、
長い会話の途中から声が鼻にぬけて鼻声となり聞き取りにくくなったりすることもあります。

病気を発症する原因は、
血液中にアセチルコリン受容体抗体あるいはマスク抗体という異常なタンパク質が出現するためだと分かっています。

2006年に行われた調査で日本人10万人あたり11.8人の患者さまがいると算出されていますので、
神経疾患としてはまれな病気ではありません。

胸腺腫や関節リウマチなどほかの病気をしばしば合併し、
重症例では急性の経過で呼吸障害を来すことがあるため、
MGの診断および治療計画の構築は速やかに行われる必要があります。

診断・治療の指針として、

・日本神経学会
・日本神経免疫学会
・日本神経治療学会
・日本小児神経学会

の4学会と厚生労働省難治性疾患克服事業免疫性神経疾患に関する調査研究班の5者合同で
作成された重症筋無力症診療ガイドラインが2014年に発刊されています。

当院の医師もガイドライン作成に参加しました。

重症筋無力症に関する最近の代表的業績

著書
川口直樹. 重症筋無力症治療の進歩.神経治療学 2014; 31: 140-144.
川口直樹. 【進歩した神経内科疾患の実地診療●一般実地医家の活用と実践のために】 実地医家が活用すべき神経内科疾患治療の進歩とそのすすめかた 重症筋無力症 Medical Practice 2015;32(6):1013-8.
川口直樹. 重症筋無力症の新治験と治療. 神経治療 2015;32(2):197-200.
川口直樹. クリーゼの診断とその治療.Clinical Neuroscience 2014; 32: 1037-1039

英文雑誌
1:Kawaguchi N, Kuwabara S, Nemoto Y, Fukutake T, Satomura Y, Arimura K, Osame M, Hattori T; The Study Group for Myasthenia Gravis in Japan. Treatment and outcome of myasthenia gravis: retrospective multi-center analysis of 470 Japanese patients, 1999-2000. J Neurol Sci. 2004 Sep 15; 224(1-2): 43-7.
2:Kawaguchi N, Yoshiyama Y, Nemoto Y, Munakata S, Fukutake T, Hattori T. Low-dose tacrolimus treatment in thymectomised and steroid-dependent myasthenia gravis. Curr Med Res Opin. 2004 Aug; 20(8): 1269-731.
3:Takamori M, Motomura M, Kawaguchi N, Nemoto Y, Hattori T, Yoshikawa H, Otsuka K. Anti-ryanodine receptor antibodies and FK506 in myasthenia gravis. Neurology. 2004 May 25; 62(10):1894-62.
4:Uzawa A, Kawaguchi N, Kanai T, Himuro K, Kuwabara S. Serum high mobility group box 1 is upregulated in myasthenia gravis. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2015;86:695-697
5:Uzawa A, Kawaguchi N, Kanai T, Himuro K, Oda F, Yoshida S, Yoshino I, Kuwabara S. Two-year outcome of thymectomy in non-thymomatous late-onset myasthenia gravis. Journal of Neurology2015;262(4):1019-23.
6:Kanai T, Uzawa A, Kawaguchi N, Sakamaki T, Yoshiyama Y, Himuro K, Oda F, Kuwabara S. HLA-DRB1*14 and DQB1*05 are associated with Japanese anti-MuSK antibody-positive myasthenia gravis patients. Journal of the Neurological Sciences 2016;363:116-118.

重症筋無力症は治る病気ですか?

重症筋無力症は、慢性的に経過することが多い病気ですが、適切な治療によって症状の改善が期待できます。

近年は治療の選択肢も増えており、以前に比べて、
・入院せずに治療できるケース
・日常生活を維持しながら治療できるケース
も増えています。

実際に、多くの患者さんが、
・学業
・就労
・結婚
・出産、育児
などを続けながら生活されています。

一方で、神経難病のひとつであり、症状のコントロールが簡単ではない場合もあります。 そのため、主治医と相談しながら、長期的に治療を続けていくことが大切です。

重症筋無力症で気をつけることはありますか?

重症筋無力症では、

・過労
・感染症
・手術
・強いストレス
などをきっかけに、症状が急に悪化することがあります。

また、一部には使用を避けた方がよい薬もあるため、新しい薬を使用する際は主治医へ相談することが大切です。

ただし、病状が安定していれば、基本的には過度に制限する必要はありません。

無理をしすぎず、体調管理を行いながら日常生活を送ることが大切です。

 

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